導入企業訪問インタビュー 第1回


三光化成株式会社 一関工場

三光化成株式会社様は、1965年創業のエンジニアプラスチック成形加工会社です。国内11拠点・海外3拠点でグローバルに事業展開しています。製品の設計から金型製作・成形加工・品質管理まで、全てを自社内で行う「一貫生産システム」を構築し、様々なクライアントのニーズに応えるハイクオリティな製品を提供しています。今回はアクアトラック3Eをご導入頂いた、岩手県にある一関工場にお邪魔させていただきました。

訪問先

三光化成株式会社 一関工場

住所

〒021-0041 岩手県一関市赤荻字鬼吉13-2

本社

〒175-0094 東京都板橋区成増1-28-3

TEL:03-3939-8201

HP

オフィシャルサイト

ご担当者様紹介

今回の取材にご協力頂いたお二人、第三事業部 営業課 開発技術担当次長 大森さん(右)と、品質保証部 品質管理課 主任 小岩(右)さんは、2012年アクアトラック3E導入当時のご担当者です。さらに小岩さんは導入から現在までアクアトラック3Eの専属担当者でもあります。のちほど詳しい使用状況をお聞きしたいと思います。

工場紹介

まずは工場内を案内していただきました。一関工場では、様々なサイズの成形機55台が稼働し、110名の従業員の方が働いています(ちなみに全工場では成形機約300台・従業員数650名)。一関工場の特長は材料の多様さです。色の種類を含めると千を超える種類のペレットが常時ストックされています。スーパーエンプラなど高価な材料を扱う機会も多いので、無駄を極力少なくするため、メーカーと共同開発した三光化成仕様の除湿乾燥機なども設備されています。水分測定や適切な乾燥など、材料の品質管理も成形品のコストダウンに貢献しています。
また、クライアントの要望があればラインを防塵仕様にするなど、リクエストに応える柔軟性もあり、コメ粒ほどの小物品から車載用の大物部品まで、毎日多種多様な製品が造り出されています。

三光化成仕様で製作された乾燥機。

スーパーエンプラなど高価な材料も無駄のないよう管理。

ホコリ等が大敵の成形品は、ライン全体を保護カバーで覆います。

アクアトラック3Eの活用方法。

アクアトラック3E専任担当の小岩さんに話をお伺いしました。


◯導入の理由は成形不良原因の追求。

アクアトラック3Eが導入される前は、成形不良の原因を探るのに本当に苦労していました。外観不良などは、水分が大きく影響しているのはわかっているのですが、数値化できないので、乾燥度合いから不良を無くすような対処療法しか手段がなく暗中模索状態でした。しかし、アクアトラック3Eを導入してからは、材料中の水分が数値で把握できるようになり、暗闇が一気に明るくなり根本的な解決が可能になりました。アクアトラック3Eを導入してからは「樹脂って奥が深いな」って感じました。

◯大量の蓄積されたデータが財産。

導入当初は全ての材料を色々なタイミングで測定していましたが、そのデータのおかげで最近では材料によってある程度予測がつくようになり、逆に使用頻度が落ちています(笑)。もちろんそれは、アクアトラック3Eで大量の測定データを蓄積することができたからなんですよ。それこそがアクアトラック3Eの導入メリットであり、弊社の財産になっています。

◯移動も楽で使用環境を選びません。

それとアクアトラック3Eのメリットは、使用環境を選ばないところですね。弊社は国内に11拠点あるのですが、ほかの工場で水分率を測りたいときなどは、このアクアトラック3Eを持ち込んで測っています。持ち運びできるサイズで、必要なのは100V電源と試薬だけなので、非常に重宝しています。

◯再現性の高さが魅力です。

また、測定する際に多量のサンプルをサンプル容器に入れられるので、再現性の高いデータを得られます。測れるサンプル量が少ないと「本当にあっているのか?」と不安になりますからね。

◯成形不良の原因究明に活躍してます。

現在、一番使用頻度の高い使い方は「成形不良の原因究明」ですね。全工場で成形不良品がでると、私の所属する品質保証部 品質管理が原因を究明します。ご存知の通り、成形不良には様々な原因が考えられますが、私達が一番最初に行うのが「水分測定」です。手軽に測定が出来るので、まず最初に確認します。

◯樹脂の試作にも活躍。

特殊な樹脂の試作にもスーパーエンプラ対応のアクアトラック3Eは大活躍中です。

様々なペレットを測定しています。

特別な装置などは必要ないので、事務所の片隅でも測定可能です。

必要なものは100V電源と試薬のみなので、非常に簡単に測定ができます。

担当者インタビュー

Q.三光化成様のPRポイントを教えてください。


A.大森さん:弊社の一番の特長は「一環生産システム」ですね。通常のプラスチック成形はもちろんですが、設計から金型の製作まで全て自社で行えるので、クライアントの要望に迅速に応えることが可能です。当然コスト面でも貢献できます。また、自社で全行程を管理できるので、材料に関する試作依頼の際でもさらに踏み込んだ提案が可能になります。これは、「一環生産システム」の弊社にしかできないと自負しております。
それと、スーパーエンプラを使った形状提案などでは、その成形材料の持つ流動特性や離型性等考慮する必要があり、シュミレーションから実際の成形加工まで一貫して対応できることも強みですね。

Q.新素材の開発にはアクアトラック3Eも携わっていますか?


小岩さん:もちろんですよ(笑)。今までデータのない新素材は、材料メーカーから弊社に納入された時から様々なタイミングで測定しデータを蓄積します。新素材の成形は、最初トライ&エラーの繰り返しですから、かなりの数の測定が必要です。たまにですが、材料メーカーから水分率を聞かれる事もありますよ(笑)。

Q.最後に三光化成様の今後の展望についてお聞かせください。


A.大森さん:現在弊社は各種展示会へ積極的に出展しております。展示サンプルには、弊社の「成形技術」「金型技術」をPRすべく開発した様々なノベルティグッズを取り揃えています。弊社展示ブースはファンシーな世界観もあり楽しいですよ(笑)。年内だと12月4日〜6日に幕張メッセで開催される「高機能プラスティック展」に出展予定です。ぜひ弊社ブースへお立ち寄りください。
今回はお忙しい中、取材にお付き合い頂きありがとうございました。